【R-18G】メガ・フェスタ・ボックス

─まえがき─


本記事はR-18Gです(ひどく邪悪であるため)。娘には絶対に読ませないでください。


前回の記事【R-18G】トワイライト・ボックスは人を選び、わざわざたどり着いた物好きだけが読んでくれればそれでよかった内容いわばボーナストラックであったため口外自粛をお願いしていましたが、シャカフテの読み物として興味深(おもしろ)いとR氏ほか数人に好評いただけた&自粛を呼びかけても効果が無いため、


本記事の更新をもって
R-18G表記のある風俗レポ系統の記事もリンクフリーとしました。
誰かレビュー書いてもいいんだよ。書けや。


当時は甚だ不本意でした。一度プライドを捨てておもしろおかしく書いたもののほうが評価してもらえると、今までのそうでない素の記事に面白さを見出してくれた人って全然少なかったんだな、手っ取り早く自分がピエロの真似したほうがウケるんだ。片方だけウケちゃうとな…なんて悲しくなりましたね。「役者志望?いい体してんだから脱ぎなよ」とか言われたような、そんな気持ち。


しかしながらTwitterでキレ散らかしておき、後だしでこの対応、その節は申し訳ありませんでした。お手数。


俺、こんなのしか出来ないかもしれない。「何者でもない者」になりたくない一心で泣きそうな思いで書いてるから。いつも読んでくれて、面白いって言ってくれてありがとうな。


あと誰か仕事くれ。前にTwitterで「郡山に風俗代渡してレポート書かせたい」って言ってくれた人居たけど、こんなのでよかったら書くからさ(真に受けています)。報酬5000円くらいでいい。ホント。俺もしかしたら、こういう力しかないから。助けてくれ。助けてくれ。
─俺を忘却(わす)れないで。






─ほんぶん─



これは、痛みの物語。
─闇のぬくもりを知らず、求める、痛い男の
コトダマは修行中である。ナムサン!






張り巡らされたメトロを抜けるなり、その牙城は悠然とあった。
また、個室ビデオ店である。


子供も大好きハンバーグステーキ店の向かい、住宅街を背にしてもなおそれは、隣接する生コンクリートをグオン、グオンと回す工場群と威圧感を並べ、人を寄せ付けない。
されど「あれはなんの店なのか」と疑問を持つことで初めて認識できるような、不思議な存在感を放っている。街の路地裏でおもむろに安いタバコをふかすキモくて金の無いオッサンのように、それは誰もが見えていて、しかし多くの人が見ようとしていないのだった。


『此処は、俺が行くところだ─』


宴のもよおしに際し、まずは駐車場を挟んで右手、実際書店とは名ばかりの桃色スケベマーケットでアイテムを購入してきた。


穴と突起のカーニバルとしか形容しようが無い魑魅魍魎にまぎれそれは、ワゴンセールのコーナーに投げ込まれた800円の桃色極細バイブレーターである。
無機質なブラックに彩られた凸凹の棒。なんでも底面にあるスイッチを押せば6段階に振動し、菊門掘削作業において大変気分が良くなるとのジョークが唄われていた。


これがジョークなどではないことは、誰もが理解しているはずである。
であるのに、この定価1500円の玩具は、800円の烙印を押され、己を誤魔化し、ここで燻っているというのか。


『此処は、俺が往くところだ─』


その嘘つきバイブレータまるで自分のイチモツの写しのように感じられ、それを手に取った。俺はこいつと旅に出る。
ちなみに変に白化したローションが付属していたが、いにしえの竜をも滅する疫病にかかりそうなほどの悪臭を放っていたので使用せずに捨てた。






   ボックスイン
─入店。






自動ドアが開くなり、コンビニエンスストアの聴きなれた入店音が白々しく鳴る。


まずは下の階でそそくさと、どうせBGに再生するだけの「いとこ 隣の若妻 ブラ」などとあるビデオを断固かたっぱしからカゴに5本ほど入れ、ゲームのチュートリアルで文字を読まずにボタンを連打する子供のように手続きを済ませる。トワイライト・ボックスとは異なるグループ店ゆえ、カウンターに目線隠しはなく、酒類の取り扱いも無いようであった。ワンオペレーションを強いられているらしい40代ほどの男性店員がオカマ口調でテキパキとマニュアル通りの文言を放つ。


このタイミングにおいて、スケベビデオと伝票とウェットティッシュのおまけにたいていコンドームや低価格のオナカップが付属する。今回はコンドームがひとつであった。前回は二つであったため、もしかすると複数人での利用も視野に入れていたのかもしれない。なかなか奥深い。危険だ。
最後に鍵を受け取り、個室のある2階へ向かう。


ちなみに自慰のメッカたるこの業界ではVRAVの取り扱いが増えてきている。ゴーグル等キットの貸し出しも行われているそうだ。
私は興味が無いが、志ある者はぜひレビューをどこかに綴ってURLを私に送りつけて欲しい。シャカフテ諸君の熱いハートを待っている。






前回のリクライニングソファーの反省を受け、今回の個室はフラットマットなる部屋を選んだ。
閉所恐怖症の気がある私はドヤもかくやというほどの最低限文化的な有様に、入るなり「うわっ」と声を出しそうになったが、靴を脱いでマットが敷かれた一畳と少しの空間に寝そべってみると、なるほど思いのほか快適であった。

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↑狭さ故全景を映すことができない。





照明やエアコン類はカラオケボックスよろしく壁にスイッチが備え付けられており、照明はムードに配慮して段階的な調節が可能なものが二つ。


二重鍵の分厚いドアは完全防音を物語っており、向かいには1mほどの部屋幅に近い大きなテレビとDVDプレイヤー。


上着や鞄は壁のハンガーやテレビの上の棚へ。


靴はパネルを玄関の上からパタリと被せることで下へ収納でき、ゴミ袋の束、ティッシュ箱、リモコン類が壁のホルダーに固定されている。


テレビ台の下まで30cmほど奥行きがあり、足を伸ばして眠るにも事欠かない。ガタイのよい人はゴミ箱と添い寝をすることになるかもしれないが。


座椅子と座布団は入り口に格納でき、プラスチックと合皮製のフラットなものを採用している。店員による殺菌消毒もしやすいだろう。


また個室ビデオ店と聞くと、アングラかつずさんな管理が原因で、以前は店舗の火災による死亡事故が取り沙汰され、そこで初めてニュースにてその店の体系が明るみになったという暗い過去がある。


災害には弱かろうな、ここで死んでしまったら・・・と私も腹をくくっていたのだが、天井にも壁にも火災報知機が設置されており、避難経路もドアに一目でわかるものが貼りつけられ、なるほど大きなテコ入れがあったのだろうと健気な経緯に思いを馳せた。


見るほどにどこも洗練されたデザインを遺憾なく発揮している。私はなかなかどうしてカプセルホテルのような秘密基地めいた趣を感じた。

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↑極み。




本筋をお忘れではないか。私は宿泊や休憩を目的に来店したのではないのだ。
昼下がりの三時間。これは正気と狂気をかけた男の闘い。


いそいそと前回と同様のショーツとサイハイソックスに履き替え、ミニワンピースを着てカーディガンを羽織る。
前回は荷物が多すぎたため、それを半分以下に留めるべく計算しつくしたコーデである。ノーブラである。悪くない。


「どう見てもゴミ出し中のお隣の一人暮らしの隙だらけの大学生のお姉さんだ、どう見ても」と己に繰り返し言い聞かせ、私は個室の姿見と目を合わせぬようにしながら便所へ向かい、例の如く直腸を洗浄した。途中でおっさんが隣に入室したようなのでこの隙だらけな格好で鉢合わせてみようかと思ったが、なにやら「北の国から」の主題歌を思わせる特異な善がり声を上げながらウォシュレットを堪能なさっているご様子であったため、無為に南へ手を引くような真似は止そうと思いやり過ごした。


ウォシュレットを尻に浴びせていると、今日はなにやら菊門が硬いなと感じた。直腸までスムーズにぬるま湯が入らない。
浴びすぎていても待っている人が居るかもしれないと感じ、そこそこに切り上げた。

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↑前回同様ちゃんちゃらおかしな便所の個室。



手洗いを済ませて廊下を一周したが、軽食のカップラーメンが詰め込まれた自販機とポットや持ち込んだ品を暖める電子レンジの隣に、大便所の個室で見たものと同じラインナップの桃色ちゃんちゃら自販機が並んでいるほか対しておかしなものも無く、早くもこの命に最も近い極限のボックスが放つ瘴気に慣れてしまったのか、冒険はやめた。






部屋に戻るなり、嘘つきバイブにコンドームを巻いてみた。


おお、なんたる近藤武蔵の装いか。放課後の教室での儚きやりとりにおいて冗談めいていたあの懐かしき響きが、今我が手に!アヌス挿入れるべし!ナムアミダブツ!


単4電池2本で動く近藤武蔵は表面が固いゴムで作られており、曲がりはしない。くびれと亀のような頭部を持ち、ほどよく重心が両端に集まっている。どこかペンタブのペンのような触り心地であった。


それでは描き出そう。嘘つきと罵られたお前と、言わなくていいことまで言ってしまう俺とで、今一つになろうではないか。


カーディガンで萌え袖なるオナニーにおいてはなにより大切なロールプレイを目に焼きつけつつ、まずはそれを頬張ってみる。
コンドームが放つゴムとオイルのきわめてチープな毒味に涙を堪え、わたしは早くもほのかに後悔を覚え始めた。それを喉の奥まで押し込み、嗚咽に酔う。
まだ大丈夫。僕はかわいい。それだけが頼り。






次はフラットマットの継ぎ目にそれを差してみた。
床下からイチモツの生えたおくゆかしい一畳半!
マッポーの暗黒ビデオボクスでは、実際誰もが狂気と闘っている。そう、タチアイは既に始まっているのだ。サツバツ






おぱんつをずらし、いざ尋常に─






    ダイヴ
─挿入。






待って欲しい。
痛いのだ。


菊の門が、痛いのである。


モノを菊門に挿入する際は、四つんばいになり尻を上にする、真横を向くなど尻に力の入らぬフォームで存分にローションをケチらず塗らした棒で十分に門をほぐす必要があるのだが、様子がおかしかった。まるで菊門に棒を突っ込んだかのように痛い
尻の機嫌は波が岩打つ海のように悪い。今日はダメかもしれない。次回でよいではないか。私のアナリティクスはそう注意を促した。





しかしながら、泣く子もドン引く一流アナリストの私はなんとしてもそれに従うわけにはいかなかった。


本日は1600円の3時間コース。ようやく生き別れの兄弟とも思える藤武蔵と再開を果たした記念。
このよき日、めいっぱい遊戯に及んでも店を出れば現の世はまだ夕刻。
メガ・フェスタ・ボックスを存分にしゃぶり尽くす必要があった。


ここまで来て、戻るというか?その選択はノーである。
己が門を破れぬ者に、この牙城が崩せようか。
私はどうしようもなく、男である。






蹲踞による挿入は中断し、三角座りのまま横になって左耳を天井へ向け、股下から近藤武蔵を少しずつ押し込んだ。菊門が「そこは出づるところであってつうずるっ込むところでは断じてあらぬ」と悲鳴を上げるも、濁流の如く門を叩くエゴイズムにかき消され、少し、また少しとそれは隙間を見せていく。それに応じえいや、えいやと武蔵も雄雄しく前進する。


思えば前回使用したアナルプラグは小指にも満たないサイズのもので、アナニー入門用器具として優秀なものであると聞く。しかしながら突然自らのイチモツと対して変わらぬ大きさのものを衝動買いしてしまい、ピアスの穴を拡張する者でもわかる無謀極まりない阿呆の所業に私は涙を飲んで前進を促し続けた。
亀に似た穂先がぷくっとした直腸にピッタリ収まったとき、もう還御(かえ)れないと悟った。


こうなれば、もはや進むのみ。
じりじり、じりじりと痛みを受け入れ、前立腺と思しき終点へ到達する。それ以上は進まなかった。






その位置を基点に数分ほど裏声で喘いで武蔵の出し入れに勤しんでいると、変化があった。
なんだか気持ちが良いのである。


これは、なんという発見であろうか。まさか、以前より蜘蛛のごとく張り巡らされた糸を手繰って探し続けた助平ごとにいささか半信半疑で居たこととプラグにて菊門ダイヴのいろはを齧っていた私であるが、快挙である。


確かに菊の門が気持ちいい。


痛む腹を抱えながらゆっくりと座椅子の背もたれに腕を置き、膝立ちで「後ろから突かれる人の真似」をしていると、とんでもないことを思い出した。藤武蔵が有する稲妻の力だ。


これは電動器具である。後手に、尻に入った武蔵の尻(混同しがち)にあるスイッチに手を伸ばす。すぐさまそれは全身を駆け巡る。


─√  
!!!!!


強烈であった。なにせ6段階あり、どの振動パターンにも菊門は歓喜の嵐をあげた。6番目の振動のまま、私は「ソレ」を迎える。


─あはれ─あなおもしろあなたのしあなさやけ


まるで意味がわからなかった。
大動脈を走る桃色アルファベットの流れに我慢ができず、慌てて購入しておいたほうのコンドームを開け自らのイチモツに被せ、思わず手淫に移る。すべてが満たされたまま、濃い水分を体外に排出する。


おけ






   フィニッシュ
─絶頂。

KETSU LOTION FINISH







ザンシン。






ときに読者諸君は何か勘違いをしておらぬだろうか?
当初は私もそうであった。


今一度よく考えて欲しい。
まだである。


イキはよいよい、帰りは辛い。
あなをほったところで、洞から出られるとは限らないのだ。
山の頂に旗を立てたとして、そこから降りねばならぬように。






挿入れたものは、排出さねばならない。






果てて横になった体に、ズキズキと痛みを覚え始める。


菊の門が、痛いのである。


体に力を入れることが難しい。とにかく、異物を排除せねばならぬ。
尻に異物を抱えたまま、それを入れたときのようにゆっくりと三角座りのまま横になって萎えた自らのイチモツから冷静にコンドームを剥がし、何もしたたらぬようウェットティッシュで吹く。裏返して尻にあてがい、武蔵に退却の指令を出す。彼は頑なに聞こうとしなかった。


重力と直角にタイク・スワリのまま動けなくなった私を襲う ウシミツ・アワーにアンブッシュに遇い、人知れず血を流すような孤独、圧倒的恐怖のアトモスフィア!


深呼吸をし、ゆっくり、ゆっくりと武蔵と菊門の救助作業が行われた。後悔はもはやアフターフェスティバル。
数分前までは口を押さえ裏声で「アン、アン、アン」と虚勢を張っていた私であるが、再びランボーの治療シーンよろしく「オォ…!ウッ…畜生ッ──」と変わり、魔法が解けつつあった。悔しくて堪らなかった。前回の乳首に関する反省を全く生かしていない自分にトホホと声が漏れた。


後日調べたところ、絶頂を迎えた後の排出は推奨されていないことを知った。なるほど手淫は後であったか。肝に銘じておきたい。


そうして、持参したウェットティッシュで汗を拭きゴミを纏め終わり、スケベなものをしっかりと仕舞い終えて普段着に着替え、再び手洗いに行き戻ってくると、まだチェックインから1時間しか経過していなかったことに気付く。菊門ダイヴもたかだか15分程度の出来事であったのだ。


おおよそ男女のセックスを一通り終えた時の思わせる(私調べ)達成感と疲労感があり、いささか喜ぶべきか分からない妙な気持ちになったため、それからはスケベビデオを2本ほどチャプターごとに飛び飛びで流しながら不貞寝気味に30分ほど過ごした。
そうしているとだんだん腹が減ってきたので、せっかくだからと廊下にある自販機でカップラーメンと水を買い、腹ごしらえをした。午前中に市役所に出かけた足でここを訪れたため、何も口にしていなかった。ラーメンを食べ終わる頃には、この借り住まいにどこか安心さえしていた。

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↑ポストアプカリプスのなにか。


そうか、私はこのボックスと愛を育んでいたのかのかもしれない──


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↑やることが無かったものの退室する勇気も無く、だらだらとTwitterに上げていたもの






牙城を背に寒空のもとへと帰るとき、ここもいい所だと感じざるを得ず、私とすれ違ったおっさんもまたそこに惹かれ入っていくのを見て、少し優しい気持ちになれた。


ちなみに本記事はだいたい半分ほど嘘である。






あとがき


私は、私が思っている以上に、この体験やそれを綴った記事やらくがきにおいて、金も時間も生活も評価も、もっとたくさんのカロリーや精神を削り、支払って紡いでいると思う。それでいてこの完成度の低さ、今たまたまこれを読んでいる君がその日ニヤッとくるだけの一時的な笑いしか提供できないことに、我慢やもどかしさの限界を感じ始めている次第だ。


人が一生のうちにできることは、多分そう多くはない。要領の悪い私は君の半分も、何かを成し遂げたり完成させたりすることはできないだろう。
私とて人生において最もやりたいことが、Twitterやブログにあるこれら一時的な笑いの提供ではないことくらい、分かっている。本当はこんなことをしている場合じゃないはずだと。


しかし、自分という存在の使い方にはもはやまともな選択肢が残っておらず、精一杯で、手っ取り早く、やっとの思いで。こうして滑稽な見世物になるくらいしかできないことを受け入れるしかないことを、ほんの少しずつ理解ってきてもいる。
おおよそジメつくダークネスな因果に引かれてこの記事にたどり着いてしまった迷えるシャカフテ、君の人生の糧になるために、どう手助けすればいいのか、それを理解したい。
おせっかいだろうが、俺はもっと、君の道しるべになるものを残したい。
君と君のあとに続くシャカフテたちが、俺のように迷わぬように。