4万の男 その1





※当記事は「追憶篇」カテゴリにあり、原則筆者の経験に基づく内容を記載しておりますが、ほんのちょっとだけ盛っていたり実際の情報とは異なったりします。





よう。


【シャカフテ】 …シヤカフテ

社会不適合者の略。 人間の形成する社会生活に苦痛を感じ、離脱もしくはリタイアした人。

近年では社会生活における習慣、作法、儀礼、人間関係の「当たり前」と言われる事に、もとより基本的な適正や素養を持たない人も散見される。


─ちょっと変わったから。よろしくな。









全国30数名の社会不適合界隈アクティブフォロワーの皆さんこんにちは。郡山です。



タイトルにあるとおり、今日は僕にまつわる4万という数字について話します。





4万。
これは私が23年間のアルバイト経験で稼いだ総額です。




多分部活をしている高校生が週3ほどシフトを入れても一月で稼げる額でしょう。
僕は高校時代ビビッて一度もバイトをしたことがなかったので、昼休みなんかにぼっちに見えぬようツルませていただいて結局馴染むことのなかったオタク男子達が稼いだ金で学費を納めているとか、まだ新しかった新品のPS3-2000型を買ったりだとか、校則違反であるバイクを弄るのが楽しいだとか、そういう「高校生らしい会話」を聞きかじっては密かに胃を痛めていました。




それほどまでに僕があの頃から「自分から夢中になってする落書きみたいな絵や文章をネットに記すことでは誰も得をせず、他人に強要されないと世のため人のためには動けないズボラ」であるわけです。プライドだけの安い男です。




それではバイトについて話しましょう。長いと思うので分割します。今回はひとつだけ。




ちなみに中学時代の職業体験について書いたもの↓

シャカフテのルーツ ~職業体験篇~










専門学校時代、僕がズボラで社会経験に不足していることをなんとかしたかったのか、知り合いに半ば強制的に勧められたのが派遣登録でした。


公式サイトからメールアドレスを登録すると「ご登録ありがとうございます!働きたいとき、働けるときに働く!あなたの生き方に合った派遣!!」といった感じのおおよそ乾いたボロ雑巾みたいな顔をした事務さんの顔が今より少しだけ綺麗だった頃に書いたに違いない胡散臭いメール、少し遅れて説明会の日程が記されたメールが届きます。


なんでも一度は支社に伺って説明会に参加しなければならないようで、週末には一人で仕方なくいつもと違う電車に乗り、駅から近くのオフィスビルの5階の奥に忍び入るようにすすみました。当時おそらく初めてのオフィスビル経験。割と楽しかったので入った後が余計にキツかったのです。



「株式会社ナントカ」と記された表札の刺さっているドアが開け放されていて、目の前に立っている試験監督のような風貌のお兄さんにまずはシャカフテ流対人術奥義「よりによってTPOに合わない声の出た挨拶」(ゲージ二本消費)をカマします。後から考えると、この人すら派遣だったのかもしれません。



「初回説明会にご参加の方ですか」と名簿を確認され入ったオフィスは最低限の業務スペースと、奥に30席ほどある教室のようなスペース。塾のような感じがしました。派遣というだけあって、ここでの仕事に我々は関与しないのでしょう。



時間がギリギリだったので殆どの席が埋まっており、僕は仕方なく最前列の真ん中のほうに座ります。


あたりを見渡すと、チェックシャツを第一ボタンやカフスまで閉めた、挙動不審で通気性の悪いブ男。


後ろでスマホゲーをするリリカルなのはの魔方陣がプリントされたショルダーバッグのオタク。


端のほうで申し訳なさそうにしている女。


39歳にも見えるし、本当はまだ21歳くらいかもしれない汚らしい男。


「ここしか来るところがなかったわけじゃない」とでも言いたげなどこか割り切った顔の男。






マルチ商法や詐欺のような雰囲気をイメージしていたら、なんだか多重債務者の集まりに来てしまったような気分になりました・・・・・・・・・・・・。



それはまさに・・・・・・・・・多かれ少なかれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
郡山と同じ・・・・・・・・・「就労を渋ってきた者達」が行き着く場所・・・・・・・・・・
ズルズルと流れ着いた、残りカスの・・・・・・・・・・・・
最後のチャンス・・・・・・・・・・・・・・・!





だが・・・・・・・まだ社会の若芽にとっての話・・・・・・・・・・・・・!




ここは底辺ではない・・・・・・・・
まだ下がある・・・・・・・・!




その下は・・・・・・・・・・・・・
都会の繁華街の裏手、天涯孤独、その日暮らしのものが集まる日雇いのドヤ街・・・・・・・・!
それが・・・・・・・・日の当たる暮らしの底辺・・・・・・・・・!




つまりは派遣登録・・・・・・・・・・ここが若手のシャカフテに残された・・・・・・・・普通で居られる最後の場所・・・・・・・・・・!





時間になると名簿のお兄さんが支社長とおぼしき人に耳打ちをします。




「二人欠席です」





この期に及んでバックれたり、予定のために早めに起きなければならないという「普通」のことが出来ない者達の集まり・・・・・・・・



そんな中、我々は来た・・・・・・・・・・・・・・!




好機っ・・・・・・・・・圧倒的好機っ!




蜘蛛の糸を・・・・・・・・掴んで離すな・・・・・・・!




支社長が挨拶もそこそこに、教習所のようなビデオで説明をします。



我々は20分もないそれをただ見続け、やがて手元に回ってきたIDなどが載った書類を眺めます。



30分ほどの説明会がなんとなく終了し、なんとなく解散。応募はすべて携帯から、さきほど用意されたIDを使いログインしたwebページからボタンひとつで可能なため、働くという実感があまりにもなく、誰も彼もが面倒な講義の後の学生と同じ雰囲気で解散しました。



その後自宅でweb応募の仕方を確認したところ見つけたのが「講演会のサクラ」でした。



ラクそうだと思いましたが、それですら面倒でスルーしました。
しかし「知り合いから派遣を進められ説明会に行ってくる」と先日家族に相談や報告を済ませてしまったため、休日に家に居ると応募していないことがバレて面倒になると思ったので、知り合いと相談しそのサクラに応募することになりました。僕はいつもそうです。自堕落と責められるのが耐えられず面倒だから嫌々働くのです。



応募が多かった中で幸か不幸か当選(?)したため、一週間後知り合いと僕は都内有数の大きなビルにアルバイトに向かいました。



講演の内容について詳しいことは伏せますが、最近もネットで常にそこそこ騒がれているコンテンツの技術、ソフトウェアなどについて扱う会社の合同説明会でした。僕は今でも似たような分野の会社(希望する仕事内容はそれらではないけど)に応募しているくらいには興味のある話で、1時間半ほどとても有意義な時間を過ごしました。そのジャンルの雑誌や企業のインタビュー記事などで見る人が生で壇上で話していたので、行く前からは考えられないほど経験値が上がったような気がします。何の?



それと、何故か最後にあった抽選会で一等のクソ高い電化製品が当たりました。当時4万円以上するもので、今でもほぼ毎日世話になっています。こういうのだけ当たるんですよね。シリーズ第四世代目のものらしいです。青い円盤を入れたり、汚物を建設したりする機能がついています。




計4時間ほどの短い拘束時間で給与は5000円。現地の駐車場で現金入りの封筒を受け取った人から解散だったので、なんだか悪いことに加担しているような気分になりました。書いておいてなんですが、実際どうなのでしょう。企画側からもサクラの採用は苦肉の策だったような気がしてなりません。というかサクラ以外全然居ませんでしたね。






そんなこんなで行ってみれば最高だったわけです。もう知り合いとかどうでもいいですね。当ブログでは後味の悪いダウナーな話題を書こうと決めていたのですが、読者の皆さんには不幸を提供することが出来ずざまあみろと感じています。




申し訳程度にもう少し話すと、7月末に応募した倉庫仕事のバイトにて、ただでさえ遠いし乗らない新座という片田舎の駅から炎天下を40分ほど歩いて
、舗装されておらずトラックくらいしか通らない山道に差し掛からんとする仕事場にもう少しで着くといったところで、斡旋してくれたはずの派遣登録会社の人から「相手先からドタキャンがあったから今日の仕事はナシで。あ、そうだ。午後からある横浜の仕事紹介するけどどう?今から行けば間に合うよ?」といった情け容赦のない糞のような電話がかかってきたのを最後にここでの応募はやめにしています。つまり登録してから行ったのはサクラだけというわけです。



かといってどうしても辞める気にはなれず、ときどき無機質な求人一覧の並んだマイページを眺めることがあります。



しかしひとたびログインすると、履歴を控えているのであろう本社の電話応対さんから「お前が仕事を求めているのはお見通しだ」といわんばかりに電話がかかってくることがあります。これが最悪です。
人の迷いに漬け込んだ着信を最後に無視したのがちょうど一年半ほど前。







ここまでの合計金額:5,000円








ツイキャスで話したことのある2万8700円についても追々。







─じゃあな。