シャカフテよ、成人式に行ってくれ
―よう、シャカフテ。
【シャカフテ】 …シヤカフテ
社会不適合者の略。当人を取り巻く主観的な多数派が形成した環境で、生き辛さを感じている人全般を指す。
自らが満足にパフォーマンスを発揮出来る、ストレスにならない環境づくりをすることが困難な状態、立場にある人の自虐、他虐として使われるため必ずしも順応しているかどうかに限らない。
どうも、人でなしです。
成人式シーズン前に書いておく予定のものがあったんですが、ゲームしてたらこんな時間。
界隈のシャカフテの皆さん。
単刀直入にタイトルを書いたので、理由から書きます。三つです。
おまけに僕の2年前のレポートもします。
壱、自分が何者なのか確かめるため
マジです。
小中高時代に比べて開放的な大学生活や無職なんかを経験して、人間関係をリセット出来た気になっていませんか?
―思い出せよ。
―誰が自分を指差して嗤っていたか。
―誰を人知れず好きだったか。
―誰と本当は少しだけ、仲が良かったのか。
―誰と時々一緒に会うことで、救われていたか。
忌々しい鬱屈としたスクールカーストの続きを垣間見るチャンスは、成人式と同窓会だけです。
あなたが動いているときも、止まっているときも、周りの時間は一緒に進んでいるのです。
頭では分かっているつもりでも、そういうことは実際に「自分と同じ持ち時間を持って生きてきている周りの人」と話さなければ分からないものです。僕はそうでした。
案の定「成人式に来て久しぶりに友人達と語らうのが楽しいから来ている」人が圧倒的に多いので、ある程度“成功”している人の話題が耳に入ってきやすいです。
短大だったけど大手内定取ったとか、4月ごろに子供が生まれるとか。
越えられない壁を感じます。そこはシャカフテとして覚悟しなければなりません。
我々は本来行くのが怖いと感じる人種っ・・・!
圧倒的なまでの「お呼びでない」という雰囲気・・・!
しかし、それはどのシャカフテも同じっ・・・・・・・・・!
その大きすぎる一歩・・・!
否、否・・・!
飛び越えれば確かに、確かになんとか・・・!
渡ることができるかもしれない・・・・・・・!
踏み出せば「成人式に行き、己を少し知ったシャカフテ」となる・・・!
ここで踏み出さなければ「後悔していない」と毎年ツイートする羽目となる・・・!
だがしかし・・・それは心のどこかで・・・微かに、確かにっ・・・・・・!
後悔しているという証拠っ・・・・・・・・!
踏み出せ・・・!己を知れっ・・・!
行けば何かが、見えるはずっ・・・・・・・・・!!!
しかし実際、低学年の頃同じクラスで、物語が好きでスポーツは苦手だった自分と下ネタを言い合って笑いあっていた仲のスポーツ万能少年が、10年会わないうちに「海外に推薦で陸上の留学に行きつい最近帰ってきた」なんて話を聞いたら、大きすぎる自分との差に絶望せずには居られません。胃液で口の中がすっぱくなって、トイレに行きましたね。
誰とどんな些細なことを話しても、溝と壁が見え隠れします。
それはロビーの床に張られたタイルにも、互いに締めるネクタイや袴の結び目にも、鏡に映る己の下がった表情筋にも、張り巡らされているように潜んでいます。
それに触れてしまうたび、あなたは自分の人生の選択が本当に正しかったのかとか、もしやり直すことが出来たらどんなに幸せだろうと考え、その後に「例え5年、10年時間が巻き戻ったとしても、自分は足跡をたどるようにカンタンに、また同じ失敗を繰り返してここに至る」ということを理解するのかもしれません。僕と同じように。
しかし「シャカフテだけど成人式に来た」ということがすでに、あなたの払った正当な代償です。誇りましょう。大丈夫。初めて秒速5センチメートルを見たときくらいしか、心に穴は空きません。既に穴だらけの自分を呪うことには、あなたは慣れているはずです。
未来とはいつも、己という通行料を払わねば、その先を覗くことは叶わぬのです。いつの日も。
一度は棒に振った人生です。ゴキブリのように這いずって、垂れた表情筋に胃液をまとわりつかせながらでも行く価値はありましょう。
↓ここから自分語り
僕は今も付き合いのある友人達数人で行きました。
10年来の旧友も居ますが、別の学校に進学した友達の友達から始まり、半分SNSで知り合ったこともあり学生時代を共にしていないメンバーが多く、現地ではやはりそれぞれつるんでいたメンバーと話し始める奴がそれなりに多かったです。
僕はその間シールドビットを相方にあげたケルディムガンダムの如く自衛に乏しかったため、小学生時代に一時期つるんでいたあまりしゃべらなかった奴と出くわしては「おお、元気?今なにしてるふーんそっか!うん!すっご!……」と絵に描いたような上辺だけの会話をしていました。
隣に居た奴は彼の大学の友達かなにかだと思っていたのですが、一緒につるんでいたグループのメンバーだったようです。帰るまで思い出せなかった。
このブログを読んで頂けば理解りますように、僕って小さい頃から一方的に根に持っている恨みマンなんですよね。それなのにちょいちょいつるんでたヤツのことをド忘れしていたりするんですよ。笑っちゃいますねェ。
それから30分ほど、ロビーの奥のほう、イケてる集団の真ん中でちやほやされている女の子をチラチラ見ていました。
小6のころ僕がイキ告をしたきっかけに彼氏面で張り付いていた相手の女の子でした。綺麗な振袖に身を包んだちょっとだけギャルっぽい子。隣にはスーツ姿のイケメン。当時ギャル子ちゃんと両思いにあったサッカー少年でした。
僕は彼に当時ものすごく差別されていたのでどうしても許せないな、何故死なないのか?とただ直感的に思いました。
その直後、自分の何がダメだったのか、何故あそこに立っているのは自分じゃないのか、どう考えても“あの場所”ひいては“あちら側”に立つことが出来ないことには、ごく根源的で原始的な理由があって、それがどうしようもなく自らの前にあることで、おそらく自分はそういった謎すら一生理解も克服もすることが出来ず、「無知の知」から始まったその感情からなにひとつ進歩することなく、“壁の向こう”にいる彼らに嫉妬や恨みしか抱くことの出来ない自分に気づき、何か圧倒的過ぎる無力感に襲われ泣きそうになっていました。
中学時代につるんでいたヤツにも会いました。3年の半ばに彼から絶交、見捨てられて僕はぼっちになって以来の邂逅でしたが、今更になって話せるはずがありません。
彼は入学以来イケてない暗黒面で僕とつるんでいましたが、小学生時代筋金入りのイケてるいじめっ子だったことが生き、途中で僕を嗤う側のイケてるグループに昇格した途端僕をシカトしたり、グループのメンバーで一丸になって他のイケてない人達を差別するようになったのです。
何度も目が合いましたが、明らかに避けられていました。当時昇格した先のイケてるグループと一緒に来たようで、やはりそのボスが高いところから僕を指差して、「みてみて、郡山きてるw」と軽口でみんなとへらへらしているのでした。今でもWANIMAを見るとあいつらを思い出します。
WANIMAのような人達に嗤われて生きてきました。
と、こんな感じで、青春時代自分が他人に何をしたか、他人からどう思われていたか、今一度思い出すきっかけになるわけですね。
早い話が「限定イベEXPボーナスついてお得だから走っとけ」ってこと。
家でデレステしてねぇでスーツをおろせオタク。枕茶色いんだよ。
ちなみに成人式は同窓会とセットであることが多いですが、あれは当時のクラスで上位に居たイケてるヤツが企画していることがあるので、多めに設定した参加費をみんなからボッたくり、次の休みにそいつらだけ集まって、浮いたお金でバーベキューしたりしています。死ねや
といっても同窓会も、行けるなら行っておいた方がいいと思います。セーブした人間関係を久しぶりにロードすれば新たな発見があるかも。
僕んとこは参加費が8000円もしたので当時行きませんでした。
おまけ
^^; ?
弐、バッドニュースをレポートして共有するため
2chのコピペとかでイケてない奴の大学生活やモテない奴、ニートなんかの話、「ひきこもりで親がご飯を部屋の前に置いてくれる」「無職なので正月の親戚の集まりが辛い」「カップルの居る隣んちに壁ドン」といった抽象的なシャカフテのミームが好きな人って多いと思うんです。
あれ、どうして人気なのかというと、「見知らぬ人の苦労や損って、しょうもないほど笑える」からだと思うんです。
僕のTwitterをフォローしている人もそうですよね。「障害者だかなんだか知らないけど、普通の生活送れなかった奴の末路」をはたから眺めるのが楽しいから、僕をフォローしているんですよね。もちろんそうでない人も居ると信じていますが。
どういうことかというと、あなたにもそんなバッドニュースの種である成人式を体験して、トホホな体験をツイートして欲しいんです。
誰も読んでないとか、自分には文を書く力が無いとか、そんなことは気にしなくても大丈夫。
物語や記録を残す書き物ってのは、力のある人がすることではありません。
他にできることの無い人が最後にやることです。
─絵心があるから絵を描くんじゃない。足が速いから陸上部に入るんじゃない。
やりたいと思ったから、やるんだろ。
アイデンティティたるスキルが無い、仕事に出来ない人が最後に出来るのが自己表現です。
特にシャカフテのそれは格別です。他のスキルを持たず、コンプレックスや失敗のある人ほど、文才がある傾向にあります。
君だけのシャカフテ成人式を報告しよう!リプライくれたら読みます。
―そんなしょうもない結果を残すほど落ちぶれちゃ居ない?
―俺はお前とは違う?
―嗤わせんなよ。
―そういう奴が流れつく所なんだよここは。
お前はもう、そこに浸かってる。わかるな?同類。
参、なんやかんや、行けば変化ある
いくらシャカフテでも、中2の頃に後ろの席だったオタクに再会すれば、あぁ、こんな奴に救われてたのかもしれないな、とか思えます。悪いことばかりじゃないですよ。悪いこと言わないから行ってみ。
こんなところです。
―またな。いい話を待ってる。